碇草 錨草 イカリソウ 角字で花と植物の名前、漢字表記
碇草 錨草
イカリソウ
英語:Barrenwort バレンワート
Unicode:
[碇_0x7887][草_0x8349]
[錨_0x9328][草_0x8349]
メギ科イカリソウ属 の落葉多年草で、低い山地の雑木林、平地から亜高山帯の落葉広葉樹の森林に見られ、種類によっては草深い草原や石垣に生えることもあります
観賞用や薬用に栽培もされています。多くの近縁種があり、多くの品種があります。特に日本産種は、観賞価値の高い種が多いうえ、変わりものや自然雑種が多いことから、様々な個体が選別され、栽培をされています。近年は交配育種も盛んです。
花の形が和船の錨に似ていることから「イカリソウ」の名前が付き、漢字でも「碇草 錨草」と書きます。
茎の先が3本の葉柄に分かれ、それぞれに3枚の小葉がつくため、「三枝九葉草(さんしくようそう)」の別名もあります。地方によって、カグラバナ、ヨメトリグサともよばれます。中国名は「淫羊藿(いんようかく)」といい、そのまま生薬の名前にもなっています。
日本の北海道南部から本州・四国・九州の、主に太平洋側の平野部や低い山地に分布し、各地の丘陵や山裾の雑木林など、林縁や樹陰に自生します。また、イカリソウ属は25種ほどが、アジアから南ヨーロッパにかけて分布しています。
草丈は30~50cmで、細い茎が株立ちになります。茎部には鱗片があります。根茎は横に這い、多数のひげ根を出します。
根出葉には長い葉柄がつき、茎の先が3本の葉柄に分かれ、それぞれに3枚の小葉が付きます。小葉は歪んだ卵形で、先が尖って基部は心臓型をしており、葉縁に刺毛状の細かい鋸歯があります。カサカサとした紙質で裏面に毛があります。
開花期は4月~5月で、花色は、淡紅紫色、赤紫色、白、ピンク、黄色などです。花は、細い花茎の先に短い穂になって咲き、下に垂れます。距(きょ:管状の細長い突出部)を四方に突出して、ちょうど船の錨のような形をしています。花茎は葉群の上に出るものと、下になるものがあり、個体差や地域差が見られます。
全草は「淫羊藿(いんようかく)」という生薬で、精力剤として有名で、5月~6月頃に茎葉を刈り取って天日干しにしたものです。
薬効は、インポテンツ(陰萎)、腰痛のほか、補精、強壮、鎮静、ヒステリーに効用があるとされ、尿の出を良くする利尿作用もあるとされています。「淫羊藿(いんようかく)」の名はヒツジがこれを食べて精力絶倫になったという伝説によるものです。
民間利用では、滋養強壮に淫羊霍を粗く刻み、1日量5~10gを約500~600ccの水で30分ほど半量になるまで煎じ、食間に3回に分けて温服、または焼酎(ホワイトリカー)1.8ℓあたり淫羊霍70~150gを入れて寝かせた後、就寝前の滋養薬酒として1日1回お猪口1杯程度を目安に、水や湯で割って飲用もされます。
体を温める作用があることから、低血圧、不眠症、手足の冷え症、冷えから来る腰痛症、下半身が疲れやすい人、滋養強壮に良いとされます。一方で、火照りやすい人や、のぼせやすい人への服用は禁忌とされています。
一時期日本でブームとなり、多くの本が出版され、淫羊藿の生薬やサプリメントが売れました。
育て方は、耐寒性も耐暑性も強く、日陰でも育ちます。ただし、日焼けや高温障害、乾燥を嫌います。
浅根性で乾燥に弱く、半日陰の肥沃土を好み、繁殖は秋から初冬にかけて株分けにより行われます。
庭植えにする場合は、落葉樹の下なども好適です。乾燥の激しい場所は避けます。
午前中は日なたで、午後は明るい日陰になる場所か、一日中明るい日陰になるところで栽培します。
日ざしが強くなる6月から9月上旬は50~60%の遮光をしてあげます。
冬は北風にさらされない場所に置きます。特に常緑の葉をもつ種類は風よけをするか、積雪地なら雪の下に埋めてかまいません。
腐植質に富んだ水はけの良い土であれば、土質を選びません。赤玉土7:腐葉土3の配合土や、市販の草花用培土でも良く育ちます。庭植えの場合は腐葉土を漉き込み、10~20cmほど土を盛ってから植えると、生育がよくなります。
水やりは、鉢植えの場合は、表土が乾いたら十分に与えます。
庭植えの場合は、よほど晴天が続いて乾燥しないかぎり必要ありません。
植え付けの際に、地植え鉢植え共に、元肥としてリン酸とカリウムが多めの緩効性化成肥料を、5号鉢相当の株で三つまみ施します。
施肥は、3月~9月にかけて、月に2~3回、草花用の液体肥料を1500~2000倍に薄めて施します。
3月から5月はチッ素主体のものを、6月以降はリン酸・カリウム主体のものを施します。
真夏の間は3000倍程度にします。地上部が休眠した場合は必要ありません。
種類や品種がとても多く、育て方に特殊な条件が必要なものもいるので、事前に良く調べてください。
また、種類や品種によっては、食用や薬用に適さないものもあるようですので、食用、服薬の目的で栽培する場合は事前に十分確認してください。
花言葉は「あなたを離さない」「旅立ち」です。
角字とは?
江戸時代に誕生した角字は、正方形のグリッド内にほぼ水平・垂直のラインのみで文字(漢字)が表現されるグラフィックアートです。
正方形という限られた空間の中に、あらゆる文字を閉じ込めようとするグラフィックデザインは、前述した、ミニマムな物に対する日本人特有のこだわりが随所に感じられます。
そのシンプルで有りながら、奥深い「角字」は多くの日本人を魅了し、お祭りで着る半被や印半纏(しるしばんてん)と言われる着物や、商標、印鑑、家紋、看板デザインなどに今日まで数多く使用されてきました。
What is Kakuji?
There is a style of penmanship called “Kakuji” in Japan. Edo-born Kakuji is a graphicart that expresses letters (kanji) with almost horizontal and vertical lines only.
The design which bases on many straight lines seems simple, or too plain even at its first glance; yet this beautiful artistic penmanship that encompasses the aesthetic of the Japanese in the Edo era, also known as “Iki”, and playfulness has long been inherited to this day, thanks to the masteries’ long years of efforts in training and refinement.
Kakuji with its simplicity and depth is used for designs such as trademark, hanko stamp, family crest and signboard.