薺 ナズナ 角字で花と植物の名前、漢字表記
薺
ナズナ
英語:Shepherd’s purse シェパーズパース
Unicode:[薺_0x85BA]
アブラナ科ナズナ属の越年性一年草で、別名、ペンペングサ(ぺんぺん草)、シャミセングサ(三味線草)。
北半球に広く分布し、日本では北海道から九州まで分布します。ムギ栽培の伝来と共に日本に渡来した史前帰化植物と考えられています。
草原、野原、土手、田畑、荒れ地や、各地の郊外の道端、畑のすみなどに自生し、春から夏にかけて小さな白い花と三角形の果実をつけます。
春の七草の一つで、若葉は食用にもなります。
春の七草
せり
なずな
ごぎょう
はこべら
ほとけのざ
すずな
すずしろ
ナズナは古くから人里で咲く、春を告げる身近な草花として愛されてきた植物です。さらに冬の寒い時期を緑の葉を広げて耐えるナズナは、邪気を払う力を持っていると信じられていたようです。
お正月の7日に春の七草を粥に入れて食べ、万病を防ぐという風習は平安時代からあったとされています。
若葉に含まれるミネラル中には鉄分やマンガンも多く、常食すれば補血に役立つものと考えられています。かつては冬季の貴重な野菜とされていました。
越年草とはグリーンの葉を地上に出した状態で越冬する植物のことで、ナズナもタンポポやレンゲと同じく、寒い冬の間もグリーンの葉を出して過ごします。
ナズナの葉は、地面に張り付いてるかのように、平たく放射状に伸びます(ロゼットと呼びます)。その様子はタンポポの葉に似ています。ナズナの葉にはギザギザとした切れ込みがあり、その様子もタンポポとよく似ています。
ナズナは葉の中心から細い茎を伸ばし、その先に小さな花を咲かせます。ナズナの茎の途中にある小さな三角形の葉のように見えるものは葉ではなくナズナの種です。
実の形から西洋で「羊飼いの財布」と呼ばれています。
また、日本では実の形が三味線のばちに似ていることから、「ぺんぺん草、三味線草」と呼ばれています。
荒廃した土壌であっても生育することから、荒れ果てた様子を指す「ぺんぺん草が生える」という慣用句があります。また、荒廃した場所で育つナズナでさえも生育しない様子から、転じて何も残っていない状態、一切合財が残らない状態を揶揄した表現で、「○○が通った後はぺんぺん草も生えない」のように用いることもあります。
育て方は、日当たりがよい場所で元気に生育しますが、荒れ地でも平気に生育する強健な生命力を持ち、耐寒性、耐暑性がともに高いため、やせた土地や日陰でも耐えることができます。
用土は、水はけのよい、肥沃な土を好みます。赤玉土小粒7:腐葉土3に、パーライトを1割ほど混ぜた土などがいいでしょう。市販の草花用培養土でも問題ありません。荒れ地にも生える植物ですので、繊細な土作りは不要です。
水やりは、鉢植えは、表土が乾いたようであれば、2~3日後の午前中に水やりをしてください。多湿を嫌うので、乾かないうちに水を与えないよう注意しましょう。
施肥は、基本的に不要ですが、与えることで花つきをよくすることもできます。与える時期は、植え付けのときと、秋頃の9~10月ごろがいいでしょう。緩効性の化成肥料がおすすめです。地植えの場合は、自然の降雨で充分です。
花言葉は「あなたに全てをお任せします」「あなたに私の全てを捧げます」です。
角字とは?
江戸時代に誕生した角字は、正方形のグリッド内にほぼ水平・垂直のラインのみで文字(漢字)が表現されるグラフィックアートです。
正方形という限られた空間の中に、あらゆる文字を閉じ込めようとするグラフィックデザインは、前述した、ミニマムな物に対する日本人特有のこだわりが随所に感じられます。
そのシンプルで有りながら、奥深い「角字」は多くの日本人を魅了し、お祭りで着る半被や印半纏(しるしばんてん)と言われる着物や、商標、印鑑、家紋、看板デザインなどに今日まで数多く使用されてきました。
What is Kakuji?
There is a style of penmanship called “Kakuji” in Japan. Edo-born Kakuji is a graphicart that expresses letters (kanji) with almost horizontal and vertical lines only.
The design which bases on many straight lines seems simple, or too plain even at its first glance; yet this beautiful artistic penmanship that encompasses the aesthetic of the Japanese in the Edo era, also known as “Iki”, and playfulness has long been inherited to this day, thanks to the masteries’ long years of efforts in training and refinement.
Kakuji with its simplicity and depth is used for designs such as trademark, hanko stamp, family crest and signboard.