靫草 ウツボグサ 角字で花と植物の名前、漢字表記
靫草
ウツボグサ
英語:Prunella vulgaris プルネラ ブルガリス
Unicode: [靫_0x976B][草_0x8349]
シソ科ウツボグサ属の多年生植物で、日本各地(北海道・本州・四国・九州)、アジア東部から北東部の温帯域に分布します。低山、山のふもと、野原、丘陵の道端など日当たりのよい山野の草地に群生します。
「ウツボグサ」の名は、花穂の形が弓矢を入れる「靭(うつぼ)」に似ていることに由来します。
草丈は15~30cm、茎は四角く、葉は対生し、全株に毛が密生しています。
匍匐(ほふく)性で、4月になると茎は地表を這うように伸ばして、高さが10~30cmに立ち上がり、茎断面は四角形です。葉は葉柄がついて茎に対生し、葉身は長さ4cm前後の披針形から卵状長楕円形、茎葉全体に細かい白毛が密生します。シソ科植物ですが芳香はありません。
花は淡紫色で茎の先端に穂状につき、標高の低い場所では初夏のころから咲き始めます。
花穂を天日で乾燥させたものを「夏枯草(カゴソウ)」といい、煎じて内服すると口内炎や扁桃炎の改善、腎炎や膀胱炎に効能があると言われています。
民間療法では、腎炎、膀胱炎、脚気などでむくみがあるときに、夏枯草5~10gを400~600ccの水で、半量になるまで煎じ、1日3回に分けて服用します。また、口内炎、口内のはれもの、のどの痛み、扁桃炎にも使用され留事があります。
春に若い苗や若葉を摘み、夏以降は花びらを採取して、軽く茹でて水にさらし、酢の物や和え物などにしてたべることができます。
育て方は、日当たりと風通しが良い、ある程度開けた場所を好みます。夏は明るい日陰でも大丈夫です。土質はあまり選びませんが、水はけの良い土を好み、乾燥しがちな場所でも生育します。水がたまるような場所は避けましょう。
用土は、水はけが良く適度に肥沃な土ならば問題ないので、市販の草花用培土に赤玉土の小粒を4割ほど混ぜたものを使いましょう。地植えの場合は、腐葉土や堆肥を軽く漉き込んでおきます。
水やりは、鉢植えは表土が乾いたら十分に与えます。庭植えの場合は特に必要ありませんが、日照りなどで極度に乾燥した場合は、たっぷりと与えてください。
施肥は、春から開花前と秋に、チッ素、リン酸、カリが等量の緩効性化成肥料や配合肥料などを少量(3号鉢でひとつまみ程度)施します。肥料をあまり必要としないので、施しすぎに注意しましょう。
花言葉は「優しく癒す」です。
角字とは?
江戸時代に誕生した角字は、正方形のグリッド内にほぼ水平・垂直のラインのみで文字(漢字)が表現されるグラフィックアートです。
正方形という限られた空間の中に、あらゆる文字を閉じ込めようとするグラフィックデザインは、前述した、ミニマムな物に対する日本人特有のこだわりが随所に感じられます。
そのシンプルで有りながら、奥深い「角字」は多くの日本人を魅了し、お祭りで着る半被や印半纏(しるしばんてん)と言われる着物や、商標、印鑑、家紋、看板デザインなどに今日まで数多く使用されてきました。
What is Kakuji?
There is a style of penmanship called “Kakuji” in Japan. Edo-born Kakuji is a graphicart that expresses letters (kanji) with almost horizontal and vertical lines only.
The design which bases on many straight lines seems simple, or too plain even at its first glance; yet this beautiful artistic penmanship that encompasses the aesthetic of the Japanese in the Edo era, also known as “Iki”, and playfulness has long been inherited to this day, thanks to the masteries’ long years of efforts in training and refinement.
Kakuji with its simplicity and depth is used for designs such as trademark, hanko stamp, family crest and signboard.