漆 ウルシ 角字で花と植物の名前、漢字表記
漆
ウルシ
英語:Lacquer tree ラキュアーツリー
Unicode: [漆_0x6F06]
ウルシ科ウルシ属の落葉高木で、中国、インドなどアジアが原産です。中国・朝鮮・日本などで漆を採取するため、古くから栽培されていました。
樹皮を傷つけて生漆を採ったり、果実は乾かした後に絞って木蝋を採ることができ、作物として植樹されてきました。江戸時代には広島藩などで大規模な植林が行われていた記録が残っています。
日本には中国経由で渡来したといわれていますが、中国より古い時代の漆器が、縄文時代の遺跡から発掘されており、自然木と考えられるウルシも、縄文時代より出土していることから、国内に自生していた可能性もあるようです。採取法の違いなどから、日本の漆器を独自のものとする説もあります。
最古のウルシは、1984年に福井県鳥浜貝塚で出土したもので、およそ1万2600年前のものであることが報告されています。
渓谷沿いなど、湿潤な環境を好み、野生化した個体も見られます。
樹高3~10m以上になり、雌雄異株で、樹皮は灰白色。葉は3~9対、卵形か楕円形の小葉をもつ奇数羽状複葉で、秋に美しく紅葉します。
花期は6月ごろで、黄緑色の小花を多数総状に咲かせます。
果実はゆがんだ扁平核果で、10月ごろ成熟して黄褐色になります。果実を乾燥させた後に絞ると蝋が採れます。ハゼの実などと共に、主に和蝋燭の原料となります。
材は、耐湿性があり、黄色で箱や挽き物細工にされます。
ウルシおよび近縁種は、「ウルシかぶれ」というアレルギー性皮膚炎を引き起こします。
原因物質はウルシオールで、揮発するため、ウルシに触れなくとも、近くを通っただけでかぶれを起こす可能性があります。ウルシなどの木が燃えた場合、その煙を吸い込むと、気管支や肺内部がかぶれて呼吸困難となる可能性もあります。
育て方は、日の当たる、湿潤で水はけの良い肥沃な土壌を好みます。日陰や、他の樹木と日光の取り合いになる場所ではうまく育たないので、植え付ける際には気をつけましょう。
樹高10m~15mにも成長する樹木ですので、植え付ける際には良く場所を選び、3m~4mほど間隔をあけて植えます。
用土は、肥沃な土壌を好みますので、植え付ける前に完熟の腐葉土や堆肥をたくさん漉き込んで、よく耕しておきます。また、酸性の土壌では成長が悪くなるので、植え付ける前に苦土石灰で土壌のPHを調整してください。
水やりは、潤湿な状態を好みますので、植え付けから1か月ほどは、表土が乾いたらたっぷりと与えましょう。
鉢植えの場合は、表土が乾いたらたっぷりと与えましょう。夏は毎日朝夕2回、春秋は朝1回、冬は土の表面が乾いていたら与えます。
肥料はあまり必要としませんが、6月~7月の開花時期に化成肥料と油かすを与えると成長が良くなります。
鉢植えでは、もともと高木なので、普通に肥料をやるとわさわさ育ちます。成長が早く丈夫ですが、鉢植えや盆栽だと逆に生長しすぎるのが問題となります。成長を見ながら、肥料を抑えぎみに与えましょう。
漆や蝋が採れたり、秋に葉が紅葉して、観賞用としても楽しめる有用な樹木ですが、触るとかぶれるので、かぶれに弱い人は、注意して取り扱うか、栽培をあきらめた方が良いかもしれません。
有毒成分のウルシオールは揮発性なので、人によっては、触れていなくても、かぶれることがあります。
花言葉は「賢明」「頭脳明晰」です。
角字とは?
江戸時代に誕生した角字は、正方形のグリッド内にほぼ水平・垂直のラインのみで文字(漢字)が表現されるグラフィックアートです。
正方形という限られた空間の中に、あらゆる文字を閉じ込めようとするグラフィックデザインは、前述した、ミニマムな物に対する日本人特有のこだわりが随所に感じられます。
そのシンプルで有りながら、奥深い「角字」は多くの日本人を魅了し、お祭りで着る半被や印半纏(しるしばんてん)と言われる着物や、商標、印鑑、家紋、看板デザインなどに今日まで数多く使用されてきました。
What is Kakuji?
There is a style of penmanship called “Kakuji” in Japan. Edo-born Kakuji is a graphicart that expresses letters (kanji) with almost horizontal and vertical lines only.
The design which bases on many straight lines seems simple, or too plain even at its first glance; yet this beautiful artistic penmanship that encompasses the aesthetic of the Japanese in the Edo era, also known as “Iki”, and playfulness has long been inherited to this day, thanks to the masteries’ long years of efforts in training and refinement.
Kakuji with its simplicity and depth is used for designs such as trademark, hanko stamp, family crest and signboard.