椿 ツバキ 角字で花と植物の名前、漢字表記
椿
ツバキ
英語:Camellia カメリア
Unicode: [椿_0x693F]
ツバキ科ツバキ属の常緑性高木で、樹高は5~10m前後から高いもので15mにもなります。成長は遅く、寿命は長いです。樹皮はなめらかで灰白色をしています。
日本原産で、本州、四国、九州、南西諸島に生息しています。国外では朝鮮半島南部と台湾に分布します。
花は2月~3月ごろ、早咲きのものは冬さなかに咲きます。花弁は1枚ごとに独立して、散る時は花全体がまとまってぽとりと落花します。
古くから選抜による品種改良が行われてきました。江戸時代には将軍や大名、公家などが好んだことから、庶民の間でも大いに流行し、たくさんの品種が作られました。
俗に言う、武士はツバキを「花がぽとりと落ちるので、首が落ちるようで縁起が悪い」と嫌っていたという説がありますが、これは一説には明治時代に作られて広まった俗説とされていて、実際には、王者の花として扱われ、貴族や上流階級の武士には特に愛されていたようです。
花色は赤色と白色があり、それぞれ紅椿、白椿と呼ばれます。花形には一重咲きから八重咲き、斑入りの品種もあり、その種類は極めて多彩です。
花色
白斑 – 星斑、雲状斑、横杢斑
覆輪 – 白覆輪、紅覆輪、底白
絞り – 吹きかけ絞り、小絞り、縦絞り、紅白絞り
花形
一重咲き – 猪口咲き、筒咲き、抱え咲き、百合咲き、ラッパ咲き、桔梗咲き、椀咲き、平開咲き
八重咲き – 唐子咲き、八重咲き、千重咲き、蓮華咲き、列弁咲き、宝珠咲き、牡丹咲き、獅子咲き
など
日本から西洋に伝来すると、冬にでも常緑で、日陰でも花を咲かせる性質が好まれ、大変な人気となりました。豪華な花をつける品種が多数作られ、逆輸入もされています。現在でもヨーロッパ、イギリス、アメリカで愛好され、多くの品種が作出され続けています。
木質は固く緻密、かつ均質で、木目は余り目立ちません。摩耗に強くて摩り減らない特徴から、工芸品、細工物などに使われます。
種子を加熱せずに圧搾して搾った油を椿油と呼び、伊豆大島の名産品として知られています。高級食用油、機械油、整髪料として使われるほか、古くは灯りなどの燃料油としても使わていました。
鉢植え、庭植えともに日当たりのよい場所から日陰まで栽培できます。
日なたでは西日の当たらない場所、日陰ではなるべく明るい場所を選んでください。また、耐寒性はありますが、冬になるべく北風が当たらないようにしてください。
水やりは、土の表面が乾いたらたっぷり水を与えます。
庭植えは2月~3月に有機質肥料を株元に与えます。鉢植えは化成肥料を株元に与えます。
酸性土を好みます。土のPHがアルカリ性に偏ると葉が黄色くなり生育が悪くなるので、硫酸アンモニウムなどの酸性肥料を施て調整します。
ツバキ科の葉を食べるチャドクガという蛾の幼虫の食害を受けます。チャドクガは卵塊、幼虫、繭、成虫にも毒針毛があり、触れると皮膚炎を発生させます。また、直接触れなくても、木の下を通ったり風下にいるだけでも毒針毛に触れ、被害にあうことがあります。
幼虫は、若齢のうちは一箇所に固まっていることが多く、毛虫の大群を見つけたらむやみに触らず、近づかず、場合によっては、保健所や自治体、駆除業者に相談しましょう。
サザンカ、チャノキでも同様の被害があるので、注意してください。幼虫の活動期(4月から10月)には、なるべく生け垣に入ったり手を突っ込んだりしないようにしましょう。
花言葉は「控えめな素晴らしさ」「気取らない優美さ」、赤は「控えめな素晴らしさ」「謙虚な美徳」、白は「完全なる美しさ」「至上の愛らしさ」、ピンクは「控えめな美」「控えめな愛」です。
角字とは?
江戸時代に誕生した角字は、正方形のグリッド内にほぼ水平・垂直のラインのみで文字(漢字)が表現されるグラフィックアートです。
正方形という限られた空間の中に、あらゆる文字を閉じ込めようとするグラフィックデザインは、前述した、ミニマムな物に対する日本人特有のこだわりが随所に感じられます。
そのシンプルで有りながら、奥深い「角字」は多くの日本人を魅了し、お祭りで着る半被や印半纏(しるしばんてん)と言われる着物や、商標、印鑑、家紋、看板デザインなどに今日まで数多く使用されてきました。
What is Kakuji?
There is a style of penmanship called “Kakuji” in Japan. Edo-born Kakuji is a graphicart that expresses letters (kanji) with almost horizontal and vertical lines only.
The design which bases on many straight lines seems simple, or too plain even at its first glance; yet this beautiful artistic penmanship that encompasses the aesthetic of the Japanese in the Edo era, also known as “Iki”, and playfulness has long been inherited to this day, thanks to the masteries’ long years of efforts in training and refinement.
Kakuji with its simplicity and depth is used for designs such as trademark, hanko stamp, family crest and signboard.