栗 くり 角字で野菜や果物の名前、漢字表記
栗
くり
英語: Chestnut チャスナット
Unicode: [栗_0x6817]
ブナ科クリ属の落葉性高木、またはその実のこと。
日本と朝鮮半島南部原産。北海道西南部から本州、四国、九州の屋久島まで、および朝鮮半島に分布します。
原種で山野に自生するものは、シバグリ(柴栗)またはヤマグリ(山栗)と呼ばれ、栽培品種はシバグリに比べて果実が大粒。シバグリもごく一部では栽培されています。
日当たりの良い山地、丘陵などに自生します。現在では広く栽培されているため、自然分布と植栽の区別がわかりにくくなっています。
中華人民共和国東部と台湾でも栽培されています。
名の由来は、果実が黒褐色になるので「くろみ(黒実)」になり、これが転訛して「クリ」と呼ばれるようになったという説、クリ(グリ)はそもそも石という意味で、実の硬い殻をクリと呼んだという説などがあります。
古くから食料として栽培され、野生種のヤマグリやシバグリを、品種改良した園芸種がニホングリ(日本栗)です。中国植物名は栗(りつ)。中国のシバグリが、甘栗(天津甘栗)として市販される栗です。
平安時代には京都の丹波地方で栽培が盛んになり、日本各地に広まりました。生産量は、茨城県、熊本県、愛媛県、岐阜県、埼玉県が多いです。
落葉性高木で、高さ15m、幹の直径は80cm、あるいはそれ以上に成長します。
樹皮は暗灰褐色で厚く、老木の樹皮は縦長に深くて長い裂け目を生じます。材木は、堅くて重く、腐りにくいという材質を有し、建物の柱や土台、鉄道線路の枕木、家具等の指物に使われました。
葉は短い葉柄がついて互生し、長さ8~15cm、幅3~4cmの長楕円形か長楕円状披針形で、先端は鋭く尖り、基部は円形からハート形をしており、やや薄くてぱりぱりしています。
葉の表は濃い緑色でつやがあり、裏はやや色が薄くて細かい毛で覆われ、淡黄色の腺点が多数あり、葉縁には鋭く突き出した小さな鋸歯が並、クヌギによく似ていますが、鋸歯の先端部はクヌギほど長く伸びません。
雌雄同株、雌雄異花で、花は6月頃に開花します。花序は長さ10~20cmの紐のような穂状で、全体にクリーム色を帯びた白色。花序の上部には多数の雄花がつき、下部に2、3個の雌花がつきます。
雄花の匂いは独特で、青臭い生臭さを持ち、香りも強く、あたり一帯に漂います。
自家受粉はせず、虫媒花で、雄花の匂いをまき散らしてハエやハチなどの昆虫を呼び寄せて、他樹の花粉を運ばせます。
9~10月頃、実が茶色に成熟すると、殻斗(イガ)が4分割に裂開して、中から堅い果実が出てきます。果実は「クリ(栗)」または「栗の実」と呼ばれ、他のブナ科植物の果実であるドングリとは区別されます。
食べ方
ゆでて食べる「ゆで栗」、石で焼いて食べる「焼き栗」「甘栗」など、そのまま食べるのも美味しいですが、栗ごはん、栗の甘露煮、栗のおこわや渋皮煮などいろいろ料理して食べても美味しいです。
また、独特の風味と甘さから、お菓子の材料に使われることも多く、モンブランケーキ、甘納豆、栗きんとん、マロングラッセなど、秋~冬を代表する様々なスイーツが楽しめます。
育て方
年間平均気温10~14℃、最低気温が-20℃を下回らない地方であれば栽培が可能です。
樹高2m以上になる高木なので、植える場所に注意してください。樹齢100年を超えるような寿命の長い果樹です。
自家受粉はしません。近所に栗の木があれば問題ありませんが、無ければ受粉用の木をもう1本植える必要があります。
虫媒花なので、蜜源植物としても期待できます。栗の蜂蜜は黒っぽくて、独特の風味があります。
日当たり・置き場所
日当たりの良い場所を好みます。
庭植えの植えつけ場所、鉢植えの置き場とも日当たり良好な場所にしてください。
用土
水はけ、水もちの良い、腐植質に富んだ土壌を好みます。
植え付ける一週間前に、腐葉土と堆肥をたっぷりと混ぜて、寝かせておきます。
鉢植えの場合は、赤玉土小粒7~8、腐葉土3~2の配合土を用います。
水やり
庭植えの場合は、土質にもよりますが、苗木や植えつけ直後の木を除けば、よほど乾燥しないかぎり水やりの必要はありません。
鉢植えの場合は、表土が白く乾いたら、鉢底の穴から少し流れ出るくらいたっぷり与えます。
施肥
庭植えは2月と10月に、鉢植えは2月、5月、10月に有機質肥料か速効性化成肥料を施します。
花言葉
「贅沢」「満足」「真心」「豊かな喜び」など。
角字とは?
江戸時代に誕生した角字は、正方形のグリッド内にほぼ水平・垂直のラインのみで文字(漢字)が表現されるグラフィックアートです。
正方形という限られた空間の中に、あらゆる文字を閉じ込めようとするグラフィックデザインは、前述した、ミニマムな物に対する日本人特有のこだわりが随所に感じられます。
そのシンプルで有りながら、奥深い「角字」は多くの日本人を魅了し、お祭りで着る半被や印半纏(しるしばんてん)と言われる着物や、商標、印鑑、家紋、看板デザインなどに今日まで数多く使用されてきました。
What is Kakuji?
There is a style of penmanship called “Kakuji” in Japan. Edo-born Kakuji is a graphicart that expresses letters (kanji) with almost horizontal and vertical lines only.
The design which bases on many straight lines seems simple, or too plain even at its first glance; yet this beautiful artistic penmanship that encompasses the aesthetic of the Japanese in the Edo era, also known as “Iki”, and playfulness has long been inherited to this day, thanks to the masteries’ long years of efforts in training and refinement.
Kakuji with its simplicity and depth is used for designs such as trademark, hanko stamp, family crest and signboard.