京人参 きょうにんじん 角字で野菜や果物の名前、漢字表記
京人参
きょうにんじん
英語: Kintoki carrot キントキキャロット
Unicode: [京_0x4EAC][人_0x4EBA][参_0x53C2]
セリ科ニンジン属の二年草。多肉質の根を食用にするため、世界中で栽培されています。
本来、人参(ニンジン)は朝鮮人参(オタネニンジン)を指す語で、本種は本来は胡蘿蔔(こらふ・こらふく)と呼ばれる外来野菜でした。現在でも中国では胡蘿蔔と記述しているます
東洋系ニンジンと西洋系ニンジンに大きく分けられ、東洋系は細長く、西洋系は太く短く、ともに古くから薬や食用としての栽培が行われてきました。クセのある香りがあり、加熱すると甘味が出るのが特徴です。
中央アジアの原産で、西洋系ニンジンの原産地は小アジア、東洋系ニンジンの原産地は中央アジアともいわれています。
原産地のアフガニスタン周辺で東西に分岐したともいわれ、西洋系ニンジンは15世紀ごろまでにヨーロッパに広まり、オランダやフランスを通り、イギリスへと西方へ伝来しながら改良が行われました。東洋系ニンジンは、10世紀ごろにはすでに中国に伝わっていたとされています。
日本には16~17世紀ごろに中国から伝わり、短い期間で全国に広まりました。江戸時代の農書に「菜園に欠くべからず」とあります。
江戸時代に栽培されていた品種は東洋系が主流でしたが、江戸時代後期に西洋系ニンジンが伝わり、明治期に入ると欧米品種が次々と導入されるようになりました。東洋系ニンジンは栽培の難しさから生産量が減少し、戦後は西洋系品種が主流になっています。
京人参は東洋系の品種で、金時人参とも呼ばれています。鮮やかな赤い色をしていて、長さは30cmほどで、スリムな形をしています。イボが白いことが特徴です。
関西では 正月料理に使われるなど、人参の中では、季節感を感じさせてくれる品種で、晩秋から1月にかけて出回り、それ以外の時期にはほとんど見かけることがありません。
よく、ニンジンはウサギの好物といわれていますが、ウサギが野生下でニンジンを食べるのは、地面から生えている葉の部分です。根っこの部分は、食べる個体と食べない個体がいます。主食ではないので、たくさんあげないようにしましょう。
絵本ピーターラビットで、主人公のピーターがニンジンのような野菜を食べている挿絵がありますが、あれはニンジンではなく二十日大根(ラディッシュ)です。
食べ方
肉質がやわらかい割りに煮崩れしにくく甘味があって、人参臭さは少ないですが特有の風味が一般的なニンジンよりも強く感じられます。主に正月の御節料理の煮しめなどの煮物に使われています。
その他、お雑煮、筑前煮、ポタージュスープ、サラダ、甘辛炒め、和え物、紅白なますなどで食べても、甘くて美味しいです。
一般的なオレンジ色のニンジンと比べ栄養成分が多く含まれています。また、赤い色にはβカロテンはもちろん、リコピンも沢山含まれています。
育て方
一般的に、東洋系ニンジンは西洋系ニンジンより栽培が難しいとされています。
発芽適温は、15℃~25℃ですが、耐寒性に優れていて、寒冷地でも育ちます。
冷涼地:播種 6月下旬~7月中旬、収穫10月下旬~12月下旬
中間地:播種 7月上旬~8月上旬、収穫10月下旬~ 1月下旬
連作障害があります。同じ畑で育てる場合は、1~2年間を開けましょう。
畝が乾燥している時は種をまく前に水をやり、土を湿らせておきます。ニンジンの種は発芽するのに光が必要(好光性)ですので覆土は厚すぎないように注意しましょう。
多めに種を蒔き、間引きしながら育てます。1回目は本葉1~2枚の頃に込んだところをすくように間引きます。2回目は本葉3~4枚の頃に、葉と葉が重ならない程度(2~4cm)に行います。3回目は本葉5~6枚の頃に6~12cm間隔になるように間引きします。
根のオレンジ色の部分は、胚軸と根が一体化して肥大した部分なので、光が当たると光合成して緑化してしまいます。肩の部分が地上に出すぎている場合は、根首が隠れるように土寄せをしておきましょう。
日当たり・置き場所
日当たりと風通しの良い場所を好みます。
用土
保水力があり、排水性のいい土を好みます。
土壌酸度は5.5~6.5pHの中性~弱酸性が最適です。
播種の2週間ほど前に、畑に苦土石灰、過リン酸石灰、配合肥料、堆肥などをすき込んでおきます。 1~2条のスジまきにします。 雨の後にまくのがよいですが、乾いていたらタネをまいた後、十分に水やりをします。
水やり
水辺に生息するやや多湿を好む植物で、乾燥を嫌います。土の表面が乾いたら、たっぷりと水を与えます。
施肥
肥料分の少ない土地でも育ちます。また、未熟な肥料があると根が分かれる「又根」の原因にもなるので、種まき直前の施肥は避け、早めに元肥を入れて耕しておきます。
間引きと併せて、追肥を行います。三元素のバランスがとれた肥料を与えます。
花言葉
「幼い夢」など。
角字とは?
江戸時代に誕生した角字は、正方形のグリッド内にほぼ水平・垂直のラインのみで文字(漢字)が表現されるグラフィックアートです。
正方形という限られた空間の中に、あらゆる文字を閉じ込めようとするグラフィックデザインは、前述した、ミニマムな物に対する日本人特有のこだわりが随所に感じられます。
そのシンプルで有りながら、奥深い「角字」は多くの日本人を魅了し、お祭りで着る半被や印半纏(しるしばんてん)と言われる着物や、商標、印鑑、家紋、看板デザインなどに今日まで数多く使用されてきました。
What is Kakuji?
There is a style of penmanship called “Kakuji” in Japan. Edo-born Kakuji is a graphicart that expresses letters (kanji) with almost horizontal and vertical lines only.
The design which bases on many straight lines seems simple, or too plain even at its first glance; yet this beautiful artistic penmanship that encompasses the aesthetic of the Japanese in the Edo era, also known as “Iki”, and playfulness has long been inherited to this day, thanks to the masteries’ long years of efforts in training and refinement.
Kakuji with its simplicity and depth is used for designs such as trademark, hanko stamp, family crest and signboard.