稗 ヒエ 角字で花と植物の名前、漢字表記
稗
ヒエ
英語:Japanese barnyard millet ジャパニーズバーニヤードミリット
Unicode:[稗_0x7A17]
イネ科の作物で、アワと並んで古くから食べられてきました。その始まりは、縄文時代に中国から伝来したとする説や、日本が起源という説があります。ヒエという名前は「冷え」に由来するともいわれるほど寒さに強く、土質を選ばないため、稲や麦が不作のときに代用される救荒作物(きゅうこうさくもつ)としても利用される重要な穀物でした。
最近になって見直された理由の一つは、栄養価の高さです。イネ科の穀類ですが、栄養バランスの良さは白米よりもずっと上。
動物実験で血中のHDLコレステロール値を高める作用が報告されているほか、タンパク質、腸の働きを整える食物繊維、骨や歯を作る助けとなるマグネシウムなどの栄養素が白米と比べて豊富に含まれています。
ヒエは麦、大豆、ジャガイモなどとの輪作(同一の農地でさまざまな作物を一定の順序で作付けする農法)に適しているため、昭和30年代までは、これら作物を組み合わせた2年3作体系の輪作が行われていました。
また、水田でも畑でも栽培可能です。ヒエは環境適応性が大きく、生育適地が広いためです。生長力が盛んな上、管理も容易で、畑・水田に栽培でき、実取り・青刈りの両用に使えます。冷害・干ばつなどの不順天候下でも減収が少なく、短期間に高い収量を上げられます。
スズメなどによる食害が多いため、出穂後は特に注意が必要です。収穫するヒエが全くなくなってしまうということがないように、防鳥網などでしっかりと対策を行いましょう。
スズメなどの小鳥は米よりもヒエを好み、田んぼにヒエが実っていると、そちらを優先的に食べます。そのためヒエを刈らずに残しておくことが、鳥による米の食害を防ぐ秘訣とも言われてきました。
育て方は、日当たりの良い場所を好みます。庭、畑、家庭菜園、鉢植えやプランターでの栽培も可能です。排水不良の土地や、痩せ地でも栽培できます。
用土は、壌土、植壌土が最適ですが、重粘土や浅耕土、砂土などの痩せ地でも栽培できます。酸性土壌にも強く、pH5~6.6と適応範囲は広いです。
水やりは、排水不良地や水田、沼地でも栽培できる一方、干ばつや日照りでも育ちます。地植えであればあまり気にする必要はありません。水不足で株が弱っていると感じたら与えましょう。
施肥は、堆肥と化学肥料両方の施用が理想です。肥沃地では、前作の残効を利用して、無肥料か、化学肥料だけでも大丈夫です。窒素に対して非常に敏感で、多く施すと徒長して倒伏するため、窒素は控え目にします。
花言葉は「おおらかな心」です。
角字とは?
江戸時代に誕生した角字は、正方形のグリッド内にほぼ水平・垂直のラインのみで文字(漢字)が表現されるグラフィックアートです。
正方形という限られた空間の中に、あらゆる文字を閉じ込めようとするグラフィックデザインは、前述した、ミニマムな物に対する日本人特有のこだわりが随所に感じられます。
そのシンプルで有りながら、奥深い「角字」は多くの日本人を魅了し、お祭りで着る半被や印半纏(しるしばんてん)と言われる着物や、商標、印鑑、家紋、看板デザインなどに今日まで数多く使用されてきました。
What is Kakuji?
There is a style of penmanship called “Kakuji” in Japan. Edo-born Kakuji is a graphicart that expresses letters (kanji) with almost horizontal and vertical lines only.
The design which bases on many straight lines seems simple, or too plain even at its first glance; yet this beautiful artistic penmanship that encompasses the aesthetic of the Japanese in the Edo era, also known as “Iki”, and playfulness has long been inherited to this day, thanks to the masteries’ long years of efforts in training and refinement.
Kakuji with its simplicity and depth is used for designs such as trademark, hanko stamp, family crest and signboard.