杏 あんず 角字で野菜や果物の名前、漢字表記
杏
あんず
英語: Apricot アプリコット
Unicode: [杏_0x674F]
バラ科サクラ属の落葉小高木。英名はアプリコット。別名、カラモモ(唐桃)。
和名アンズは、杏子の唐音とされており、古名は、カラモモ。中国植物名は杏(きょう)。
原産地は、中国の北東部、山東省、河北省、山西省、黄河より北とされており、中国北部で形成された東洋系の品種群には、ウメとの交雑の痕跡があります。
中国大陸から日本への渡来は古く、弥生時代以降の遺跡からも出土しており、日本最古の本草書『本草和名』(918年)には、漢字を「杏子」、和名「カラモモ」とあります
ヨーロッパへはイタリア半島にインドやペルシアを通じて伝わり、古代ローマへは紀元前にすでに伝わっていたとも、1世紀ごろにギリシャまたはアルメニア経由で伝わったともされています。
シリア・アラブ共和国の国花です。
果樹として栽培の歴史は古く、愛媛、広島など瀬戸内地方、青森県津軽地方が古い産地で、現在では、長野県、山梨県、山形県を中心に栽培されています。
落葉広葉樹の小高木で、開花期は3~4月頃。桜よりもやや早く、葉に先立って淡紅色の花を咲かせます。花は一重咲きのほか、八重咲きの品種もあります。花は美しいため花見の対象となることもあります。葉は卵円形で葉縁には鋸歯があります。
自家受粉では品質の良い結実をしないために、他品種の混植が必要であり、時には人工授粉も行われることがあります。6~7月には収穫期を迎え、ウメによく似た果実は橙黄色に熟し、果肉は赤みを帯びて核と離れやすくなり、光沢のあるだいだい色の果実の表面には、細かな産毛が密生します。
食べ方
特有の芳香と甘酸っぱさが特徴の初夏の果物。生食のほか、ジャムや乾果物、果実酒などにして利用されます。
果肉は、カロテン(ビタミンA)・B2・Cのほか、クエン酸、リンゴ酸などの有機酸、スクロースなどの糖分を含み、夏の栄養補給や利労回復に効果があるとされています。
種子(仁)は、杏仁(きょうにん)と呼ばれる咳止め(鎮咳)や去痰、風邪の予防の生薬(日本薬局方に収録)として用いられているほか、杏仁豆腐の独特の味を出すために使用されます。
育て方
基本的には、苗を植えて育てます。適期は12月から3月です。一年生の植物と異なり、あんずなどの樹木に実る果実はその種を播いても同じ物は実らないため、苗は接ぎ木によって増します。台木には、実生から育てたものを使います。
花を観賞する場合には、育てるのは容易ですが、実を収穫するためには施肥や病害虫に注意することが必要で、適切な農薬使用を行う必要があります。冷涼地、乾燥地では無農薬栽培が可能です。
日当たり・置き場所
日光を好むので、庭植えの植えつけ場所、鉢植えの置き場とも日当たり良好な場所を選びます。
用土
土質はあまり選びませんが、水はけ、水もちの良い土を好みます。植える場所に腐葉土や堆肥を混ぜ込んで、水はけを良くしておきます。
鉢植えの場合は、赤玉土小粒7~8、腐葉土3~2の配合土を用います。
水やり
庭植えの場合は、土質にもよりますが、苗木や植えつけ直後の木を除けば水やりはほとんど必要ありません。ただし、夏に日照りが続くような場合は与えましょう。
鉢植えの場合は、表土が白く乾いたら、鉢底の穴から少し流れ出るくらいたっぷり与えます。
施肥
庭植えは2月と10月に、鉢植えは2月、5月、10月に、有機質肥料か速効性化成肥料を施します。
ホウ素欠乏土壌では実の外観不良が発生しやすいので、ホウ素欠乏抑制のための施肥管理が必要です。成木ではカリ、燐酸を多めに施します。
花言葉
「臆病な愛」「乙女のはにかみ」「疑い」「疑惑」など。
角字とは?
江戸時代に誕生した角字は、正方形のグリッド内にほぼ水平・垂直のラインのみで文字(漢字)が表現されるグラフィックアートです。
正方形という限られた空間の中に、あらゆる文字を閉じ込めようとするグラフィックデザインは、前述した、ミニマムな物に対する日本人特有のこだわりが随所に感じられます。
そのシンプルで有りながら、奥深い「角字」は多くの日本人を魅了し、お祭りで着る半被や印半纏(しるしばんてん)と言われる着物や、商標、印鑑、家紋、看板デザインなどに今日まで数多く使用されてきました。
What is Kakuji?
There is a style of penmanship called “Kakuji” in Japan. Edo-born Kakuji is a graphicart that expresses letters (kanji) with almost horizontal and vertical lines only.
The design which bases on many straight lines seems simple, or too plain even at its first glance; yet this beautiful artistic penmanship that encompasses the aesthetic of the Japanese in the Edo era, also known as “Iki”, and playfulness has long been inherited to this day, thanks to the masteries’ long years of efforts in training and refinement.
Kakuji with its simplicity and depth is used for designs such as trademark, hanko stamp, family crest and signboard.